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2010年09月11日

ネットのない生活2


ついに9月が始まりました。
音楽学校再開です。でもまだ夏の名残りでウェディングなどのギグもあり、
どたばたしています。

しかもこの9月は、引っ越し、ビザ問題に加え、たくさんの新しい挑戦に包まれています。

とりあえず、ここ最近のことを書くと、
引っ越しは終わりました。ビザも何とかなりました。
音楽学校3校同時スタートです。
リムリックのナショナルスクール、(GV)
ゴートのクールミュージック、(CM)
アッセンロイのアッセンロイミュージックスクール(AMS)です。

自分で分かってて組み込んだスケジュールですが、
最初の一週間が終わった現時点では、なんとかなった感に包まれています。
ふ~~~


一番の大きな挑戦はGV。
そこは、政府によるある試みが行われている、一般の小学校です。
リムリック県の中でももっとも治安が悪く、貧しい地域にある学校。政府はその地域の子供たちを音楽を通して救おうと、リムリックを拠点にするプロのオーケストラ、アイリッシュチェンバーオーケストラ(ICO)とともに、昨年の9月からこのプログラムに取り組んでいます。

基本は鈴木メソッド。ICOのメンバーのリサが取り仕切って、学校の生徒150人に毎日バイオリンを教えています。
生徒たちには政府より楽器が一台ずつ与えられています。でももちろん家へ持ち帰ることはできません。彼らの家庭の問題が為です。

この9月、私はICOで忙しいリサの代りに月曜、火曜、水曜と彼らを教えることになりました。でも私は今まで日本でもここでもマンツーマンでのレッスンしか教えたことはありません。しかも、その生徒たちは好きで音楽学校へ来ているいわゆる有志です。
でもGVは、そうじゃない。音楽が苦手な子、好きじゃない子もいます。しかもグループレッスン!

一人で教える初日、火曜日。私は相当緊張していました。
タイムテーブルがコントロールできず、イマイチ流れも悪く、わ~となってしまった時もありました…。
でも水曜は何とか上手く時間を運ぶことができたと思います。
慣れるまでの時間が解決してくれる部分は思ったよりも大きいみたい。あと自分のひき出しもももっと必要だし、明石家さんまみたいな話術もいるわ~!

GVにはリムリックを仕切るギャングの子供もいますし、多くの家庭は生活保護を受け、酒、ドラッグに溺れる両親らも珍しくありません。そんな子供たちは、生意気だったり、異常に傷付きやすかったり、障害を抱えていたりします。そして、どんな子供たちと同じようにすごくピュアです。

ピュアな彼らの心が私にやる気をくれます。
もっと楽しませてあげるにはどうしたらいいか、と考えずにはいられません。
彼らに感謝。早く一人一人の名前と顔が一致するようにしなくちゃ!  


グループレッスンを4歳くらいから13歳くらいまでの子たちに教えます。
全部で10クラス程です。
4歳位はまだ手で鳩やカニ、ウサギを作ることも難しいようです。
7歳位は体を使って素早い動きをさせると喜びます。楽器も弾いてみます。
10歳位はすっかりリズムの飲み込みも早く、記憶力も長く持つので、楽器を使いながらリズム、音程を学びます。  
12歳位はさすが。集中するとすごい力を発揮します。しかし、私が一歩誤るとクラスはカオスに。 
 


そんなGVの後、ドライブ1時間でゴートに戻り、次はCMです。
今年は去年のFiddleFunのクラス(導入のためのグループレッスン・5,6才対象)の子供たちが、シェアレッスンを受けるため私のクラスへ上がってきたり、新しい生徒達もいるので、にぎやかで良いです。

この9月から、ViolaFunという5歳くらいのビオラを習う子供達の導入のためのグループレッスンでも教えるため、CMからビオラが支給されました! やった~♪おうちでさっそく練習しようと思います。

月・火・水とGVとはしごで教え、大変ですが今や自分のおうちが学校のすぐ裏なので、助かります。引っ越してよかった


木・金はAMSです。北へ30分上り付くAthenryというその街は、結構私好き。こじんまりしてる割には活気があり、高速、国道と大きな道が通っており、ゴールウェイシティまで車で15分。 
今週はギグがあったので、AMSでの私のレッスンは一週間遅れて来週からスタートです。
その学長であり、ヴァイオリン講師でもあるキャサリンは、もの凄い美人で4兄弟の母。何事にも完璧主義者で、プリントはしっかり濃くあるべき、必要な書類は必要なだけ余分にあるべきではなく、不必要を忌み嫌っているようです。「事前の完璧な用意は人生を変える」という名言を先日のミーティングで戴いて参りました。 
オーラが違う、そんな彼女に付いていけるよう、誠心誠意で頑張って生きたいと思います!


さて、その今週あったギグというやつ…。
それは次の日記。





 

yukinishioka at 09:55│Comments(4)音楽教室 

この記事へのコメント

4. Posted by yuki   2010年11月26日 20:49
MBさん> はじめまして!リムリック繋がりの日本人の方とコンタクトがとれて嬉しいです。どうぞよろしくお願いします。12月2日は新しく教えることになったSouthillの子供たちが、お姉さんお兄さんのGalvone,St.Maryの2校と競演します。伴奏はIrish Chambar Orchestra!みんなで最後満足いくように、練習練習!笑
3. Posted by MB   2010年11月21日 04:09
はじめまして!音大を卒業されてアイリッシュミュージックにはまる人がワタシの周りでも多いので面白いです。
リムリックの治安の悪いエリアに住む子どもたちに音楽を・・・!って何だかメリル・ストリープの「Music of the heart」みたいです。自分も以前リムリックの治安の悪いエリア(M区)で武道を教えていたことがあり、思い出しました。
またその後の様子もルポしていただけると嬉しいです!
2. Posted by yuki   2010年09月29日 04:51
 こんにちは!kazさん、コメントありがとうございます。
 娘さんがお生まれになったとのこと、おめでとうございます!男の子もやんちゃでかわいいけれど、女の子はまた華やかでいいですね。
  
 いい写真がいっぱいでしょう(笑)
 9月になって急に忙しくなってしまったけど、やっぱり楽しいです。

 音楽やっているもの同士、きっとそのうちどこかで会うでしょうね♪その時を楽しみにしています。
1. Posted by kaz   2010年09月18日 06:43
はじめまして

数週間前に、偶然こちらのブログを拝見して、それ以来、音楽を通してアイルランドでの生活を楽しんでられる様子を、時々覗かせてもらってます。

私自身も、10年以上前にアイルランドでの生活を始めた理由は、「音楽」です。なので、ユキさんの音楽に対する熱い思いが、昔のアイルランドに来たばかりの頃の自分を思い出させてくれるような感じです。

ちょうど娘が生まれたばかりなのですが、楽器が持てるくらいになったら、ユキさんのような音楽を心から楽しんでいる先生に習えたらいいなぁ、なんて思います。

じゅんじさん、復帰されたんですね。
頑張って下さい、とお伝え下さい。
(じゅんじさんは私のことは覚えてらっしゃらないと思いますが)

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